過去名刺クリーニング作戦 MA

新規リードがない時の魔法のタネ。
予算ゼロ円で今すぐできる確度の高い営業リード創出術その2

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こんにちは。アイアンドディーの大橋です。本日は、ナーチャリング施策における基本中の基本である「過去名刺クリーニング作戦」についてご紹介したいと思います。

社内にインサイドセールス網を構築していない企業の方や、これから立ち上げを検討している方がいらっしゃれば、ぜひご一読ください。

過去名刺クリーニング作戦とは

「過去名刺クリーニング作戦」とは、その名の通り、「獲得から3~5年経った名刺情報に各種クリーニングを実施すると、現在のライトパーソンを60%発掘できる」という作戦です。

本施策は、過去リードを取り扱うインサイドセールスやリードナーチャリングを実施する上で、避けては通れません。獲得名刺をリサイクルすることによって「新たなライトパーソンを発掘できて得をする」とも言えますし、何もやらないと「せっかく獲得したリードが使い物にならなくなって損をする」とも言えます。

手順は、以下の3手順です。

手順1:メール死活チェック

名刺のメールアドレスについて、死活チェックを実施いたします。MAツールを活用しても良いですし、メール死活チェック専用サービスを活用するのも良いと思います。

これにより、メールアドレス@左側が無効=退職の可能性大、メールアドレス@右側が無効=会社がなくなった、またはドメインが変更になったを切り分けられます。

手順2:TELにて異動・退職・後任を確認

メールアドレスが有効でも、対象者が異動・退職している可能性があります。確認・アップデートする方法として、テレマーケティングを実施するのが確実です。部長クラスまでの異動を確認するにはテレマーケティング以外に有効な方法はないと思いますが、高役職者の場合は実施方法が異なります。
上図は、異動退職を確認した後のテレマーケティングフローを示しています。

手順3:TELにて現在のライトパーソンを確認

異動・退職していなくても、現在のライトパーソンが違う可能性もあります。テレマーケティングを実施した際、現在のライトパーソンを確認することによって情報をアップデートできます。

以下の文章では

  • 過去名刺をクリーニングする意義
  • 本施策で行うべき4つのポイント

をご紹介させていただきます。

過去名刺をクリーニングする意義

過去名刺クリーニングをする意義

過去名刺をクリーニングを実施する意義・実施しなければいけない理由をご説明します。

1. 名刺の賞味期限は3年

「自身や同じ部署にいた人が3年前は何をしていたか?」と思い浮かべてみてください。

まったく違う業務や役割をしている方が多いのではないでしょうか。
とくに2024年の3~5年前はコロナ前後の影響で組織が激変しています。
所属が変わっている組織名が変わっているというケースもありますし、部門の役割などが変わったということもあり得ます。当然、名刺の方の業務における役割や立場も変更しているでしょう。

私もインサイドセールスの経験がありますので感覚値で申し上げますと、3年前の名刺では「〇〇さんはたしかにこの部署にいたけれども異動して…」と話が通じるケースは多いのですが、5年前ともなると「〇〇さん、懐かしいね! 今どうしているんだろう」と応じてくれるのはまだ良い方で、ほとんどは訝しげに「そんな方はいません」と扱われます。すでに名刺の方は、伝説上の人物になっているのですね…。

弊社データによると、3年前の過去名刺の内、約50%は役職や担当業務 が変わっています。何もしなければ過去名刺はデータが使えなくなるということですから、都合の悪い恐ろしい真実だと思います。

2. 後任者の発掘・BANTCのアップデートができる

Web施策・イベント経由・コールでのコンタクト発掘からキーパーソンを見つける作業はコストがかかります。しかし、一度接点を持っている名刺アプローチからライトパーソンの後任を発掘するのは、新規でリードを獲得するのに比べて、コストが抑えられます。

放っておくと3年で半数がダメになるわけですから、後任発掘できる名刺クリーニングをやらない手はないです。また、本施策を行うことで、過去にMAやSFAなどに記録したBudget(予算)、Authority(選定の立場)、Needs(業務課題)、Timeframe(導入時期)、Competitor(検討している競合製品)の情報をアップデートできます。

本施策で行うべき5つのポイント

名刺情報のクレンジング

「過去名刺クリーニング作戦」を実施する上でやるべきこと・守るべきポイントを5点まとめさせていただきます。ぜひ、ご活用ください。

1.名刺情報のクレンジング

まず、メール死活チェックを実施してください。

お客様にメールが届いているか、どこで詰まって先に進んでいないかを確認する方法です。このステップは、メールが確実に届くために必要な作業で、一斉メール配信ツール・MAツールがあれば概ねどの製品でも自動的に実施しています。

次に、代表電話や部署の電話番号チェックの実施です。

「アプローチをしようとしたが、電話がつながらない」というケースはよく起こり得ます(名刺獲得直後でも5%程度のTEL不通という事が起こりえるため、数年後だとさらに可能性が高まります)。
そのため、事前に電話情報を補填しておくことが重要です。そんな時、弊社では「クリックリサーチ」という安価な製品をおすすめします。継続的にご利用される場合はクリックサーチをご活用いただき、単発的に実施したい場合は弊社にお問合せください。

部署や役職コードの付与も重要なステップです。

名刺に書かれている部署名の定義は各社で異なるため、「この部署はこのようなことをしている」といったカテゴライズをしておく必要があります。例えば、弊社の「デジタルマーケティング事業部」はマーケティングだけでなく、営業や経理など様々な業務を行っています。そのため、部署ごとに適切なコードを付与しておくことが求められます。

最後に、獲得時期や獲得ソースのメンテナンスです。

前提条件として3~5年前に獲得した名刺を使用するので、「いつ獲得」し「どのソースで獲得した」といった情報が正確にメンテナンスされている必要があります。この情報が整備されていないと、正確なアプローチが難しくなるため、しっかりと管理することが求められます。Excel管理を行っても良いのですが、できればメール配信やコール実施などの施策も併せて行える、そのリアクション履歴が残る何らかのCRM、具体的にはMAをご用意ください。
弊社では「Dr.Sales」というMAツールは名刺入力→メールフォロー→フォローコール→営業管理までを一気通貫かつ提供しています、ぜひご活用ください。

2.最適なアプローチ先の抽出

すべての名刺(リード)情報をテレマーケティングでクリーニングすると膨大なコストがかかりますので、法人の条件や特定のキー情報を基にアプローチ対象を抽出しなければなりません。

たとえば、「部署」や「業種」、「売上高」、「従業員数」などの情報をもとにアプローチ対象を絞り込むことができます。さらに、特定のキー情報を使用することも有効です。例えば、「〇〇製品導入」など特定の条件に基づいて抽出することで、ターゲットを明確にできます。

加えて、部署コードを活用することで、効率的にアプローチ先を特定できます。例えば、「総務部門は対象外」や「経理部門にはぜひアプローチしたい」といった場合、各部署を個別にチェックするのは大変です。そこで、部署をあらかじめ「経理」「総務」「マーケティング」などのようにコード化しておくことにより、効率的に対象部署を抽出することができます。

また、期間に基づく抽出も重要です。今回のターゲットは3~5年前に獲得した名刺であるため、その期間に絞って対象を抽出する必要があります。

3.実施時期にあわせたネタの用意

電話でアプローチをするわけですから、「電話をする謂れ=ネタ」が必要です。

ネタと言えばいろいろと想定できます。
例えば、一般的に4月始まりの会社が多いので(後日記事を記載します。資本金1億円以上の会社ではおよそ半分)、毎年4月には人事異動が行われます。そのため、毎年4月から6月初旬頃までは「貴社の新年度計画にあわせた情報提供」といった建付けでアプローチすれば良いということになります。
また、上記と連動する格好にはなりますが、システム投資を検討する時期は半年後の10月~12月と相場が決まっていますので、その時期には「製品紹介・事例紹介」をフックにアプローチすると良いのです。
その他シーズンの場合、「ウェビナー」や「ホワイトペーパー」など通期で使えるネタを作成しアプローチすることも有効です。

上記を反映したコールスクリプトを用意することも重要です。
弊社のような専業ベンダーはサンプルのようなしっかりとしたコール台本を用意するのですが、自社で実施する場合はそこまできっちりしたものは必要ありません。 大事な要素は「話の目的・ネタの用意」、「業務課題(NEEDS)と選定の立場(AUTHORITY)の確認」、「業務課題に応じた、解決の方向性の用意」、「ご案内する内容に適した人や部署の確認」をスクリプトへ盛り込んでください。

4.ナーチャリング施策の実施

3つ目に、名刺クリーニングだけで施策を終わらせるのではなく、ナーチャリングまで視野に入れて施策を仕立てることがポイントです。

名刺をクリーニングする中で、「後任者情報」や「対象製品」「アプローチ時期」などをメンテナンスしたリストが作成できているはずです。あらかじめ「次回どのようなナーチャリング施策を行うか」を策定しておきますと、さらに案件化に役立つ情報をヒアリングできるようになります。

あらかじめ作戦を決めておくことによって、ナーチャリング時の手間を減らすことになりますので、ぜひ施策前にナーチャリング施策についてもご勘案ください。

5.アウトソーシングベンダーの活用

名刺クリーニング作業ですが、あまり接点のなかった方の情報をアップデートするわけですから、シンプルな建付けにすれば専業ベンダーにアウトソーシングすることができます。

ここまでご案内した4つのポイントですが、特に「メールの死活チェック」や「名部署・役職のコード化」など一次クリーニング作業は古ければ古いほど根気がいる作業となります。また、「後任者の発掘」についてはテクニカルな作業になるため、これらの施策を一度も実施されたことがない場合、ご負担に感じられるかもしれません。

自社で実施する場合、優先順の問題で名刺クリーニングは緊急課題になりにくいため、着実に実施するためにはアウトソーシングが効率的であると言えます。

明日から即使える便利なサービス

弊社が提供している「フォロー丸投げパック」。

「過去名刺クリーニング作戦」で必要な4つのポイントを丸ごとご提供いたしますし、必要であればアポイント設定も代行実施させていただきます。

自社でお取り組みいただくか、本サービスをご活用いただくか、いずれで実施されましても本施策はきわめて有効な施策となります。もし本記事でご興味を持っていただけたようでしたら、ぜひ一度お取り組みいただけますと幸いです。
ご不明点などございましたら、お気軽に弊社ホームページのお問い合わせ窓口からご相談ください

投稿者プロフィール

大橋 直弥
大橋 直弥
デジタルマーケティング事業部 社内マーケティング担当

インサイドセールスや海外事業担当を経て、現在デジタルマーケティング事業部でマーケティングの修行中。 
現場経験に基づいた視点でお役立ち情報を提供します。
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