データマーケティング

BtoBマーケティングのデータクレンジング・名寄せ工数を75%削減したウソの様な本当の話

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こんにちは、アイアンドディーの升水です。

BtoBマーケティング活動を行う上で避けては通れない課題である「データクレンジング・名寄せ・データ付与更新」にかかる工数を大幅削減した事例をご紹介します。

大量の企業情報・個人情報を取り扱わなければならないマーケ担当者の皆様には、一見の価値がある内容です。具体的には、さまざまなマーケティングツールを駆使し統合を担当する方や、これから統合を考えている方がいらっしゃれば、ご覧いただけると幸いです。

データクレンジングと名寄せの重要性

データクレンジング、名寄せ、データ付与・更新。

それぞれについて詳しくは以下の別記事をご参照ください。端的には、企業や個人のデータについて、データの誤りを直し同じものを統合し、役立つ情報を付加/更新するということです。

これらは料理の仕込みのようなもので、BtoBマーケティング活動を行う上で絶対になくてはならないものですが、軽視されがちです。なぜなら仕込み活動単体では成果が見えにくく、面倒で時間がかかるため、コストなどのマイナス面ばかりが目立つからです。
サッカー中継でリプレイされるのは、ゴールシーン(マーケティングではアポイント・受注)や失点シーン(大規模なミス)であり、地道な活動は注目を集めないのと似ています。ゴールや失点は地味な中間作業の延長であるため、基本がしっかりしていないと概ね成果は出ませんが、地味な仕事がしっかりしていたとしても成果につながらない可能性もある点が難しいところです。

しかしながら、勘所さえ押さえれば、この中間作業を大幅に圧縮し、成果を出す作業に集中できます。BtoBマーケティング支援の一環として「他社のデータクレンジング・名寄せ・データ付与更新」を代行支援しているプロの弊社が、実際に試した時短術を以下にご紹介します。

具体的なデータと検証項目

具体的なデータと検証項目
検証データ
  • 対象件数:350件
  • データ内容:社名(英語77%/日本語23%)、URL、電話番号(81で始まる番号)
データ活用目的
  • アウトバウンド施策(COLDコールや紙DM)で指定企業のライトパーソン発掘をするためにデータを活用したい。
データ整備に求められる要件
  • 英語社名を日本語社名に変換し、企業に関する様々な情報を付与し絞り込み条件とする
  • 部署直通TEL部署所在地などの情報を付与し、ターゲットにアプローチできる割合を上げること
  • インテントデータ等さまざまなデータとマッチさせるため、カギとなる法人番号を付与すること
必要な下準備
  • データクレンジング:英語社名を日本語社名に変換、誤ったデータの修正
  • 名寄せ:正規化、データ重複削除
  • 情報付与:法人番号
  • 関連データ付与および更新:法人番号をキーにして、さまざまなデータベースから必要な情報を付与(売上・従業員数・部署TEL/所在地情報・代表拒否度・インテントデータほか)

実験前/後の作業工数、精度について

実験前
  • 工数:6時間
  • マッチ率:90%
実験後
  • 工数:1.5時間(75%減)または 10分(97%減
  • マッチ率:86%

※精度を100%に近づけるためアンマッチデータ調査を実施し工数1.5時間となりましたが、割り切ってWeb調査を省いて時短もできます(その場合は6時間かかっていた仕事が10分で完了となります)。

実施内容とポイントの整理

作業手順を前後で比較いたしますと

実験前
  • 法人データベースと照合するために英語社名をクリーニング (2時間)
  • 自社保有データと突合(自動)
  • アンマッチデータのWeb調査(4時間)
  • 周辺データ付与(自動)
実験後
  • マージソリューションB-Plusにデータアップ(10分)
  • 周辺データが付与された状態で返送されるのを待つ(自動かつ数秒)
  • アンマッチデータのWeb調査(50分)

まず、市販の名寄せツールを活用し、データクリーニングの時間を大幅に削減したこと、欠損データをWeb調査する時間や周辺データ付与に割いていた時間も無くした点が工数削減に寄与しています。

活用したのは、名寄せツール 「B-Plus」 となります。この「B-Plus」ですが、1件あたり5円~、わずか数秒でデータクリーニング&データ付与が行える優れものです!

今回テストで実施したのは、英語社名+日本語混在のとてつもなくノイズの多いデータでした。通常でしたらノイズの多いデータをクリーニングするところからスタートしなければなりませんが、クリーニングのプロセスを飛ばしてまずB-Plusを活用しても英語データをきちんと日本語に変換し、かつデータ精度は85%程度でございました。

マッチング結果
  • 正しくマッチ:297件(85%)
  • 別企業とマッチ:5件(1%)
  • アンマッチ:48件(14%)

考えられる限り最悪なデータの汚れ具合でこのパフォーマンスですし、他にもさまざま検証していますが、平均マッチ率は90%を越えております。概ね信頼できるデータと言えるのではないでしょうか。

しかも、データ付与まで行ってくれ、かつ法人マイナンバーまでデータを付けてくれるので、さまざまな他データベースとデータを突合しやすく、仮に誤ったデータを付けていたとしても検証が行いやすいという利点があります。得られるデータは以下のようなものです。

付与されるデータ

会社名、住所、TEL、FAX、URL、代表者名、業種、会社代表メールアドレス、資本金区分、従業員数区分、売上区分、上場区分、決算月、設立年月、法人番号、インボイス番号

さらに、データ付与速度が早く、待っているだけなので工数は発生しません。今回データ精度を100%にするためアンマッチデータについて丁寧にWeb調査を行うプロセスを実施いたしました。これにおよそ1時間を使っています。しかし、「マッチしないデータは問題外データとして対象としない」などのように考え方を変えれば、実際にかかった工数は10分ほどですので、大幅な時短につなげることができます。失うものはデータの14%(ノイズの少ないデータであれば10%ほど)ですから、かかる工数と成果の見合いで実施するかしないかを検討するのが妥当かもしれません。

データクリーニングの自動化

さらに、今回実験前後で共通実施していた時短策として、データクリーニングの自動化があります。

弊社では、データクレンジングの仕組みとしてDr.Marketingを活用しています。
データベースにデータを投入した瞬間に、ある程度自動でデータクリーニングを実施してくれます。月額4万円からご活用いただけますが、データをクレンジングのみを希望する場合、少々お高いかもしれません。

先ほどのB-PLUSを活用する場合は、データを投入すると正しいデータを返してくれますので結果クレンジングに近い作業を実施してくれます。
その際、留意すべきは以下図のポイントだけになります。具体的には、法人格の統一(株式会社に揃えるなど)、市区町村名の付与、国際番号の変換(+81が含まれている場合ゼロに変える)になります。

また、このデータクレンジングですが、なんとAIが自動で実施するプログラムを作成してくれます。
フレーム自体は1分かからず作ることができます(以下の図はサンプル)ので、仕分けに必要なノウハウを設定するだけとなります。仕分けに必要な情報に上記の法人格の統一などチェックポイントを要件定義するのに全集中してください。

結びに

上記の作業ですが、担当いわく「自分の作業がなんだったの。。。と思うくらい精度とマッチ率がよかった。また、作業者を選ばないので誰でも出来るのがGood!です。」ということでした。

B-PLUSやDr.Marketing等の外部ツールを活用致しますと、工数が大幅削減することができますので是非ご活用ください。

投稿者プロフィール

升水雄介
升水雄介デジタルマーケティング事業部 ジェネラルマネジャー
営業目線で、受注からの逆算でお問い合わせ網を安価に立ち上げる手法、コンテンツマーケティングを活用した顧客ナーチャリング手法やPPC広告を利用した短時間で結果がでるテストマーケティング手法など様々な新規事業立ち上げノウハウをご案内。
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