置き去り検知システム ~IoT Marketing Platform の調査から見えてきたもの~

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株式会社アイアンドディー、先端技術マーケティング事業本部 IoT担当部長の小村です。
本記事では、最近の社会課題となっている園バスの置き去り問題に対して、IoT Marketing Platform の調査結果から“置き去り検知システム”を深堀りしてみました。

置き去り検知システムの背景

2021年7月、福岡県中間市で発生した園児バス車内置き去りによる死亡事故に続いて、2022年9月、静岡県牧之原市でも同様の事故が発生しました。

牧之原市での事故以前にも“置き去り検知システム”は数社が提案していましたが、乗用車に関する提案が中心でした。

IoT Marketing Platformでの取上げ

IoT Marketing Platform では、いち早く展示会や新聞記事等で情報収集し、2022年10月18日のメールマガジンで12件の記事を紹介しました。

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その後、政府方針で2023年4月から保育園、幼稚園等の送迎用バスには安全装置の設置が義務化され、認定制度や補助金の給付も決まり、多数の企業が様々な方式を提案してきました。

このため、2023年2月7日に更に記事19件を追加し、各社の方式を分類してメールマガジンで紹介しました。メールマガジンで紹介した記事は以下の通りです。

IoT Marketing Platform 車内置き去り防止対策・その2 – IoT Marketing Platform (dr-iot.jp)

置き去り検知システムの分類

置き去り検知システムを分類すると、6方式に分けることができます。

方式説明
A園児にQRコードやRFIDを持たせ、運転手がスマホで読取る一番手軽な方式ですが、QRコードやRFIDを忘れたり、読み取れない場合の対処が面倒
B運転手が押しボタン等押下げ、QRコード読取り押しボタンが壊れていたり、QRコードが読み取れない場合の対処が面倒、更に押しボタンやQRコードを移設するような偽装の可能性もある
Cセンサーによる検知レーダーセンサー、Bと併用
それ以外のセンサー、Bと併用
Dカメラ、ドライブレコーダによる検知AIカメラで顔認証や取り残された園児を確認する、Bと併用
Eその他Wi-Fi増設により取り残された園児を確認
F車両側による保護置き忘れ検知で空調等が起動

置き去り検知システムの評価

2023年1月27日、東京ビッグサイト東展示場で開催されていた「コネクテッド・カーEXPO」に三菱重工機械システム様ブースにおいて、置き去り検知システムを展示していましたので、ヒアリングしてきました。

わかってきたことは、以下のとおりです。

  • 国や地方自治体から18万円程度の補助金が出る見込み
  • 国土交通省より安全装置に関するガイドラインが策定されており、これに適合する装置のリストを内閣府が公表している。
    https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/meeting/anzen/list.html
  • A,B方式は簡易だが、故意の誤操作、誤作動が起こりやすく、C,D,E方式との併用が望ましい。
  • C方式のレーダーには、ミリ波とセンチ波があるが、センチ波の方が確実に検知できる。
  • D方式は、園児が寝ている場合は、検知できない可能性がある。
  • C,D,E方式は、様々なサイズのバスでの検証が必要。

おわりに

置き去り検知システムの深堀り、いかがだったでしょうか。

このシステムに限らず、安全性を追求する場合に忘れてはならないのが、誰のためのシステムかということです。今回の場合は、置き去りにされた園児の保護者に対する配慮が必要だと思います。
優れた検知方式であってもそれが必要な関係者に確実に届く仕組み作りが求められているものではないでしょうか。

IoT Marketing Platformでは、今後も時代に見合う旬なテーマを深堀りし、メールマガジンやブログを通して、皆様にお伝えしてまいります。

投稿者プロフィール

小村卓郎
小村卓郎先端技術マーケティング事業本部 IoT担当部長
IoT Marketing Platformの立上げを主導、BtoB向けIoT情報を無料で検索できるサイトとして、国内外から多数の閲覧がある。IoTを売りたい企業、買いたい企業向けのシステムも構築中。
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