ドイツはデータの分散化/相互監視を積極的に進める ~ドイツ視察考察より~

ドイツを表すイラスト 海外情勢
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2018年4月22日より29日まで船井総合研究所主催でドイツの下記の地域と会社を訪問して来た。
食事とトイレ(ウォシュレットが無い)以外は最高の国だと思う。

以下、私のドイツ視察旅行記である。
ご参考にして頂ければ、幸いである。

ドイツの訪問先

■ 訪問都市について

1.フランクフルト 2.ドルトムント 3.ケルン 4.ベルリン …の4都市。

■ 訪問企業

  1. Berin Partner (スタートアップ支援)
  2. EUREFキャンパス(エコ系スタートアップの集積地)
  3. InfraLab Berlin (インフラ系スタートアップのアクセラレーター)
  4. SirPlus (廃棄食材問題解決スタートアップ企業)
  5. Solmove (太陽光発電道路の開発スタートアップ企業)
  6. Deloitte (大企業とスタートアップのマッチング)
  7. betahaus (コワーキングスペース、スタートアップ支援)
  8. HARDWARE.co (ハードウェア系スタートアップ支援)
  9. INNOGY (大手エネルギー企業のスタートアップ企業)
  10. QON (コミュニティ関連ソリューション企業)

考察

I&D_Blog_ドイツイメージ

ドイツの内情

ドイツ、特に東ドイツはゲシュタポによる監視社会(パノプティコン)からの開放が心に染み付いており、中央集権から分散化へが命題となっている。

そのため、SAPやSiemensなどBlock chainを基礎にして、データの分散化/相互監視を積極的に進めている

マズローの法則のドイツ的考察

INNOGYでは、機械(マシン)がお客様になると言う衝撃的な言葉とマシンをマズローの法則で表現したプレゼンを見て、「Industry4.0」はここまで来ているのかと驚いた。
すなわち、現在マズローの法則は、5段階説の生理的欲求→Internetに接続された状態を指し、4段目、安全の欲求→セキュリティ対応がなされた状態を言う。

ドイツの企業経営

また、どの会社でも**高速経営(Speed)**と言う言葉が頻繁に出てきた。

SAPは特にデザイン思考(顧客視点から開始する)で開発している。
また、新手法として Envision Method を導入しPrototypingで新事業の成功を担っている。

高速経営の手段として、エコシステム(他社とのコラボレーション)があり、自社は中核やプラットフォームを作ることに専念し、不得意分野は他社と連携することで高速の経営を実行しようとしている。

Siemensでは、Virtual工場からテスト工場で100%成功させ、リアルと双方向でデータのやり取りをしており、メーカーと言うよりデータ販売の会社になりつつあるようだ。

ドイツの現状

■ 企業編

非常に驚いたのは、ベルリンの企業では英語は当たり前の社会であり、そのレベルはアメリカやイギリスのネイティブレベルなのには驚いた。
それだけ、世界から人が集まっている証拠だと思った。

Brick Blockでは、Token Economy に出会い、「ICO」と言う(IPOではない)世界が現実に存在することに驚いた。
(仮想通貨で50億円調達するとのこと)

■ 生活編

その他、生活関係で気づいた点では下記のとおりである。

インターンシップが充実しており日本でも取り入れるべきかと思う。
3ヶ月コースと1年間コースで半分は仕事、半分は学業

ドイツの労働時間やサービスについてであるが、スーパーのレジは態度が悪い。
日本と違い、上下関係がない。
レジは有料、そこで取れと言う雰囲気。
トイレ事情は悪い(フォシュレットがなかった。一流ホテルでも)

食事について。
朝のバイキングは世界一、種類が豊富でおいしい。
通常のレストランは、ソーセージ、ハム、パン、ポテト(小さい丸のじゃがいも)、マッシュドポテト、唯一ホワイトアスパラガスは最高だった。
(季節もの2ヶ月程度)

■ 個人的な考察 まとめ

  1. 利益を出して幹部をドイツなど海外に早く派遣する
  2. 新人もベトナムやインドに行かせる制度を作る
  3. 英語に触れる機会を圧倒的に増やす
  4. 隗より初めよで、朝礼は英語と日本語で実施する
  5. 長期インターン制度を実施する
  6. 社内のIT化を促進する(カレンダー、チャット、プロジェクト管理など
  7. 開発担当者を文系でも採用開始する
  8. 国内だけでは、発展しない。海外を最初から考慮する
  9. 決してあきらめない会社にする
  10. 顧客企業にイノベーションを与える仕組みを提供する

最後になるが、日本人留学生の言葉:「日本の英語の先生は英語が出来ないのに英語をなぜ教えているのか意味がわからない」

本当にこの点を直さないと日本は遅れると思う。

投稿者プロフィール

福重広文
福重広文
株式会社アイアンドディー代表取締役社長

日本初の本格的なダイレクトマーケティングの立ちあげ、米国アイオワ大学、アリゾナ大学と共同で多くのリサーチプロジェクトに従事する。
【コンサルティング分野】
製造業設備、設計・CAD・CAM・CAE、ロボット、生産管理系IT、ERP、電話道®(インサイドセールス、テレマーケティング、テレセールス)、B2Bマーケティング全般、セミナー支援、効果的なダイレクトメール作成方法、通販関係、貿易業務、海外進出
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