【ヨーロッパ最新IoT情報その②】 再生可能エネルギー業界におけるIoT企業のビジネスチャンスについて

海外情勢
この記事は約8分で読めます。

アイアンドディーの先端マーケティング事業部、齋藤です。
毎月1回、ICSから「ヨーロッパ発 現地レポート」として、EU企業の取り組みや欧州ビジネスの最新情報をお届けいたします。
ICSは当社同様、IT企業や製造業向けに新規顧客開拓やマーケティング支援を展開している企業です。
https://www.icsemea.com/ics-the-company

第2回目は、再生可能エネルギー業界におけるIoT企業のビジネスチャンスについてお伝えいたします。

再生可能エネルギー業界におけるIoT企業のビジネスチャンスについて

再生可能エネルギー(RE)の市場規模は2020年に8,800億ドル、2020年から2030年にかけて年8.4%で成長し、1兆9,800億ドルになると予想されています。アジア太平洋地域は、工業化、一般消費者化及びインド、中国、インドネシアの人口増加により、世界のエネルギー消費の50%以上を占めており、年平均成長率はさらに高く9.6%と予測されています。過去2年間、新型コロナウィルスは業界の成長にマイナスの影響を与えており、特に風力発電では、労働力の減少や社会的隔離措置により、風力タービンやブレードの生産だけでなく、計画的なメンテナンスにも影響が及んでいます。例えば、風力タービンメーカー第2位のシーメンス・ガメサは、10年以上連続で利益を上げていたが、2020年の第3四半期に5億7700万ドルの純損失を記録しました。

再生可能エネルギーの主なタイプとして、水力、風力、太陽光、地熱、バイオエネルギーがあり、住宅用、商業用、工業用と用途が分かれています。北欧では陸上と洋上の風力発電が中心で、英国ではシーメンスとアルストンのタービン215基を備えたホワイトリー風力発電所が539MWを供給し、35万世帯に電力を供給しています。南ヨーロッパでは太陽光発電が盛んで、スペインでは1000ヘクタールの広大な敷地に143万枚の太陽光パネルを設置し、年間832GWhのクリーン電力を25万世帯に供給しています。

実は日本は、浮体式太陽光発電において、世界的なリーダーなのです。本州中部の愛知県では、湖や貯水池が多く、世界の大規模な浮体式太陽光発電所100カ所のうち73カ所で、総発電容量246MWのうち50%以上を発電しています。また、本州南部に位置する兵庫県には4万もの湖があり、100カ所の浮体式太陽光発電所の5割近くを占めています。これらの発電所の多くは小規模であるため、設備投資も比較的安価であり、世界経済フォーラムが分散型エネルギー生成の鍵になると指摘しており、より多くの地域のグリーンエネルギーを源流で生成することが可能です。世界の浮体式太陽光発電は2014年から2018年にかけて100倍になり、日本企業が多くの知的財産を保有しています。欧州では土地が少なく、湖や貯水池が豊富にあります。その為、設備投資の少ないこの電源は、日本の再生可能エネルギー業界及びIoT企業にとって、地中海に面したPIGS諸国(ポルトガル、イタリア、ギリシャ、スペイン)及びバルカン諸国(ハンガリー、ルーマニア、ブルガリア)は、大きなビジネスチャンスの源でもあります。

風力発電のトップ3はすべて欧州のメーカーで、1位ヴェスタス(デンマーク)、2位シーメンス・ガメサ(ドイツ)、3位アルストム(フランス)ですが、残りのトップ10のうち6社はすべて中国の風力発電機メーカーです。2019年、EUでは化石燃料が全エネルギーの71%を占めていましたが、わずか2年後の2021年には、政府の強力な支援と補助金、および環境団体からの圧力の増加により、化石燃料の使用はわずか36%に減少しています。2021年、EUでは、全エネルギーに占める再生可能エネルギーの割合は38%になりました。

しかし、EUのエネルギー生産の26%を占める原子力発電は、グリーンエネルギーに分類されていないため、伸び悩んでいる分野です。原子力を「グリーンエネルギー」に分類し直せば、官民合わせて数十億ドルの投資が可能になります。2022年1月、EUのティエリー・ブルトン域内市場担当委員は、欧州のエネルギー需要を満たすために、原子力発電が「基本的な役割」を果たすと述べました。そして新世代のものは5000億ユーロ(5860億ドル)が必要だ!」と、仏紙ジュルナル・デュ・ディマンシュのインタビューで語っています。”この努力は、年間約200億ユーロに相当します。” ティエリ・ブルトン氏は元フランス経済産業大臣であり、EDFなどの企業を通じてフランスは原子力を強く支持していますが、ドイツやオーストリアなどは支持していないので、原子力の将来についてEUの合意が得られるかどうかはまだわかりませんが、多少のバイアスはあるかもしれません。

ウェスティングハウス社やロールスロイス社などの一部の企業は、日本の福島原発のような大規模な原子力発電所の数分の一のコストで、工場で予め作られ、現場で組み立てることができる新世代のモジュール式小規模原子炉に取り組んでいます。これらの企業は、工場や海水淡水化施設など、電力使用量の多い場所にこのような小型の原子力発電所を設置することを想定しています。

東芝の子会社であったNuGenは2018年に原子力発電所の建設から撤退しましたが、東芝は依然として欧州で、再生可能な水素、火力、水力エネルギー、次世代配電システムへの投資に力を入れており、これらはすべてIoTを中心にメンテナンススケジュールや事前故障診断の制御を行っています。太陽光発電、風力発電、水力発電などの発電所の物理的な監視は難しく、人が介在することになります。IoT センサーは、遠隔地における発電、送電、配電の監視と管理のプロセスを自動化します。

現在、日本には49.7MWの洋上風力発電設備しかないですが、日本風力発電協会は600GWのポテンシャルがあると見積もっています。この不足の原因は、再生可能エネルギーにおける日本の技術不足によるものではなく、日本の深海で洋上プロジェクトを可能にするための複雑な法的枠組みによるものです。日本には130件の洋上風力発電プロジェクトが計画されていますが、実際に稼働しているのはわずか10件であり、タービンを接続して発電するための建設が進んでいるところはありません。これに対して、日本の隣国である韓国や台湾の方が、はるかに進んでいます。

クリーンエネルギーや環境保護が叫ばれる中、電力業界、特に風力発電所には、暗い知られざる秘密が隠されているのです。風力タービンはすべて六フッ化硫黄(SF6)を使用しており、絶縁開閉器のガスとして使用されています。SF6は、二酸化炭素(CO2)の23,900倍、メタン(CH4)の5000倍もの環境毒性を持ち、大気中での半減期は3000年にも及ぶと言われています。また、半導体製造にも使用されています。この素材を世界的に完全に陳腐化させるSF6代替品を作り出すことができる日本企業は、まさに勝者です。

結論として、英国とEUは、化石燃料への依存を減らすために「グリーンエネルギー」への長期的な投資を約束し、民間と公共の膨大な投資の可能性を引き出すために、原子力もグリーンと再分類することを議論しています。日本の再生可能エネルギー産業は、複雑な法的枠組みと、洋上風力発電のような大規模プロジェクトに対する政府の惰性的な対応に不満を感じています。しかし、日本の IoT 企業が提供できるソリューションは、革新的で、こうした障害に縛られることのない 再生可能エネルギー プロジェクトを支援することです。これは、浮体式太陽光発電所による低コストの分散型エネルギー源で日本が世界市場をリードしていることで実証されています。再生可能エネルギー産業は、OEM/ODM、ディストリビューター、リセラー、システムインテグレーター、独立系ソフトウェ アベンダー、マネージドサービスプロバイダー、市場直販など、複数の販売チャネルを通じて日本の IoT 企業に大きな財務的リターンをもたらしています。(了)

海外担当説明

株式会社アイアンドディーと欧州のパートナー企業であるICS(本社:ドイツ・ニュルンベルク)と共同で、日本のIoT企業に対して、欧州市場、特にドイツ、オーストリア、スイス(DACH)のドイツ語圏におけるダイレクトおよびチャネル販売、パートナー開拓を加速させるためのコンサルティングを行っています。特にコロナ禍でメッセフランクフルトや、ハノーバー見本市など、日本企業がEU内での展示会に出展できない状況が続いていますが、今後、日本に居ながら大幅に安い費用で新規顧客開拓が可能となります。また、日本企業と提携を考えているEU域内の企業を日本企業に紹介する事業も開始いたします。

■オンラインEU販路開拓サービス
1.        進出予定国の市場及び競合調査
2.        マーケティング戦略コンサルティング
3.        ターゲット選定・リスト作成
4.        ターゲット企業のキーマン発掘・商談獲得
5.        リスト先への営業活動(インサイドセールス)

アイアンドディーとICSは、両社が有するネットワークと強みを活かし、コロナ禍で海外への移動が制限される中、従来必要とされてきた「海外視察」や「現地調査」などのプロセスを現地パートナー企業が代行いたします。現地に行かずに商談獲得を可能にする「オンラインEU販路開拓サービス」により、短期間でEUへのビジネス展開を実現いたします。

EUへの進出や新規パートナー、顧客開拓にご興味がある方は、お気軽にご連絡下さい。

▼お問い合わせ・お申込みはこちらから
https://marketing-navi.jp/forms/iad_drm/inquiry_?_fsi=vfZ7e9ZF

▼サービス詳細はこちらから
 https://www.iad.co.jp/service/gs/oes.html

【お問い合わせ】
株式会社アイアンドディー
先端技術マーケティング事業部 海外担当チーム 齋藤 美幸
TEL: 03-5452-1840   Email: it-support@iad.co.jp

投稿者プロフィール

齋藤 美幸
齋藤 美幸
先端技術マーケティング部
海外担当チームマネジャー/コンサルタント

▼ 経歴
University of California, Berkeley卒業
外資系B2B企業及び日系グローバル企業において、日本法人のマーケティング部門の立ち上げ、PR・プロモーション 戦略立案、企画などマーケティング全般に携わる。

▼ コンサルティング分野
マーケティング全般、PR・プロモーション戦略の企画・立案、広告・販促物・WEB制作・展示会・セミナー運営など マーケティング・プロモーション、海外・日本進出事業支援
Translate »
タイトルとURLをコピーしました