【EU最新情報 その①】ヨーロッパ次世代高速鉄道への取り組み

英国の高速鉄道HS2向け新型車両海外情勢
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アイアンドディーの先端マーケティング事業部、齋藤です。
この度、弊社は2022年1月28日付でドイツのニュルンベルグやロンドンに拠点を置くICS と業務提携いたしました。ICSは当社同様、IT企業や製造業向けに新規顧客開拓やマーケティング支援を展開している企業です。
https://www.icsemea.com/ics-the-company

これから毎月1回、ICSから「ヨーロッパ発 現地レポート」として、EU企業の取り組みや欧州ビジネスの最新情報をお届けいたします。

第1回目は、ヨーロッパ次世代高速鉄道の計画に日本企業の技術が採用され、今後、日本のモノづくりやIT技術が海外への販路を見出すチャンスとなりうるかを解説を交えてお伝えいたします。

ヨーロッパ次世代高速鉄道における日本企業のビジネスチャンス

HS2英国高速鉄道コンソーシアムは、2021年12月に15兆円の英国高速インフラストラクチャプログラムを構築するために、日立アルストム合弁会社と4,500億円の契約を獲得したと発表しました。これにより、時速360 kmのHS2の列車の全車両を設計、構築、維持することが可能になります。
IoTセンサー、コンポーネント、およびデバイスは、故障や遅延を回避し、列車の予防保全を提供するために必要不可避なものになります。日立レールは、2014年以来、英国の9,000億円の都市間高速鉄道計画(I​​EP)の主要メーカーであり、9両及び10両からなる時速200 kmの列車を100編成以上納入しています。

ヨーロッパ全体で、新しい軽鉄道システム・重鉄道システムおよび車両にかなりの投資が行われています。これについては、英国とイタリアに製造・保守拠点を持つ日立が主要なプレーヤーですが、他のメーカーでは、CAF(スペイン)、Alstom(カナダ-ドイツ)が所有するTalgo(スペイン)Bombardier、Siemens(ドイツ)、Alstom(フランス)、Skoda(チェコ)があります。

新しい車両および信号設備に投資するヨーロッパの鉄道事業者には、ドイツ鉄道(ドイツ)、SNCF(フランス)、NS(オランダ)、RENFE(スペイン)、FS(イタリア)などの国内企業のほか、多国籍事業者もあります。
たとえば、英国のFirstGroupやArrivaTrains、イタリアのTrenItalia、Thello France、Eurostar UK / France、WESTBahn Austria、LEO Express Czech、Slovakia、Polandなどの欧州連合の国境を越えて運営されているグループ、およびFlixTrainなどの低コストのオープンアクセスオペレーターがあります。ここまで、鉄道旅客サービスについてのみ言及しましたが、政府が荷送人、輸入業者、および物流業者に貨物を道路から鉄道サービスに移動することを奨励しているため、環境に優しい鉄道貨物にも大きなチャンスがあります。

日本企業の持つ細やかな専門知識が、欧州鉄道業界を救う

ヨーロッパの鉄道業界は、日本のIoTコンポーネントおよびシステムサプライヤーにとって大きなチャンスです。前述のすべての企業およびその他の多くの企業での調達はオープンで透明性があり、革新的なソリューションを兼ね備えた日本の製品およびエンジニアリングチームは、大変歓迎されています。
なぜなら鉄道システムに関する日本の専門知識は高く評価されているからです。

たとえば、オランダのユトレヒト中央駅での遅延により、オランダの鉄道網全体で遅延が発生しました。その結果、2011年から2016年の間に、東京の品川駅のレイアウトに基づいた新しい線路設計のために350億円規模のプロジェクトが実施されました。品川駅やその他の日本の駅の事例に基づいて、線路設計のための新しい設計哲学が開発され、これにより、貨物と乗客の交通容量が増加し、ユトレヒト鉄道ネットワークを通過する列車の速度が時速40kmから時速80kmに倍増しました。
またポイントが200からわずか60に減少したことにより、障害が減少して、交差点の移動が少なくなり、交通管制が簡素化されました。

IoTデバイスは、必要なポイントを削減し、ユトレヒトルートネットワークを通過する列車の速度と量を増やすための鍵でした。その結果、予想される鉄道交通の増加は2040年まで保証されています。ユトレヒト駅のコンコースには、プラットフォームを通過するときや駅エリアへの出入り時に乗客のルートを分析するために、多くのIoTコンポーネントも導入されました。

欧州復興開発銀行(EBRD)が独自のエネルギーコンパクトを立ち上げ、クリーンなエネルギー移行を支援することを目的とした資金源からの援助により、2023年の欧州鉄道産業への総投資額は5,5兆円と予測されています。これは、主要な都市持続可能性プログラムであるEBRDグリーンシティへの投資に焦点を当てています。エネルギーコンパクトは、すべての人にクリーンで手頃なエネルギーを提供することを目的とした国連の持続可能な開発目標(SDG)7への対応です。

この誓約の下で、EBRDはEBRDグリーンシティの優先投資への投資を2021年8月の1,300億円から2023年末までに約2,450億円に倍増することを約束しています。同じ時期に、グリーンシティ行動計画(各都市がプログラムに参加した後に作成し、取り組むべき優先的な環境問題を特定する計画)の数は、現在完了している19から50に増加する予定です。この重要な要素は、ライトレール(路面電車)システムなどより環境に配慮した輸送手段を使用することです。(了)

投稿者プロフィール

齋藤 美幸
齋藤 美幸
先端技術マーケティング部
海外担当チームマネジャー/コンサルタント

▼ 経歴
University of California, Berkeley卒業
外資系B2B企業及び日系グローバル企業において、日本法人のマーケティング部門の立ち上げ、PR・プロモーション 戦略立案、企画などマーケティング全般に携わる。

▼ コンサルティング分野
マーケティング全般、PR・プロモーション戦略の企画・立案、広告・販促物・WEB制作・展示会・セミナー運営など マーケティング・プロモーション、海外・日本進出事業支援
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